(1)住宅及び住環境の評価
調査対象の需要者(契約者と訪問者)の属性については、「女性(64.3%)」「40代(42.9%)」「既婚(85.4%)」「4人家族(44.7%)」「会社員(35.3%)」「住宅購入経験1回(46.4%)」等が最も多い。また、従前の住宅特性は「持家(75.3%)」「地域:忠北(64.7%)」「アパート(80.0%)」、「築5年以下(55.3%)」「居住5年以下(74.1%)」「RC造(89.3%)」等が最も多い。
先ず、従前の住宅及び住環境、住宅品質等に関する満足度を尋ねた。住宅及び住環境に対する総合評価(N=84)で、「非常に不満」が2.4%、「不満」が26.2%であり、不満率(非常に満足+満足)が28.6%となっている。また、住宅と住環境に対する評価で不満率は各々27.1%(N=84)、24.7%(N=85)となって、住居環境に大体に満足していると考えられる。しかし、住宅品質に対する評価では、不満率が38.5%(N=84)となり、住宅に対する評価の不満率より高いのである。図4-2は住宅と住環境の各要素に対する評価結果を示したものである。先ず、住宅に対する不満率(非常に不満+不満)平均は41.5%、住環境に対する不満率の平均は43.5%を占め、4割超の需要者が不満を示している。
次に、住宅の各要素に対する評価では、「高齢化等への配慮(56.5%)」「換気性能(51.7%)」「外部騒音等に対する遮音性(50.6%)」が不満率50%以上、「収納空間(49.4%)」「住宅の腐食・損傷の程度(43.5%)」「火災時の安全性(42.4%)」が不満率40%以上となっている。
最後に住環境の各要素に対する評価では、「緑地・水辺等の自然環境(60.0%)」「騒音・大気汚染等の程度(51.8%)」が不満率50%以上、「まわり道路の歩行時の安全(49.4%)」「敷地の広さ・採光・通風等の空間のゆとり(47.1%)」「子供の遊び場・公園(44.7%)」「近隣の人たちとの交流(44.7%)」が、不満率40%以上となっている。こうした評価より、特に住宅内では高齢化関連の利便性と空気・音環境関連の保健性、また、住宅の外部では自然環境関連の快適性に改善余地があるといえる。
図4-2 需要者の住宅及び住環境の評価(N=85)
需要者に住宅購入の目的と困難点に関する項目の中で二つを選んで順位を付けてもらったのが図4-3である。先ず、住宅購入の目的は、「資産形成のため(契:63.8%>訪:46.9%)」が最も多くのであり、「さしあたり不便はないが良い住宅に住みたいため(契:39.4%<訪:46.9%)」「高齢期にも住みやすい住宅や環境にするため(契:34.9%>訪:3.1%)」「子供成長や教育のため(契:16.5%<訪:18.8%)」と続いている。需要者は、主にこれからの生活に備えるため、住宅を購入しているといえる。次に、住宅購入の際に困難点は、「預貯金や返済の能力の不足 (契:61.7%<訪:73.6%)」が最も多く、「気に入った住宅がない(契:32.3%≒訪:32.1%)」「住宅の物件に関する情報が得にくい(契:17.3%>訪:16.3%)」と続いている。需要者は、主に経済的負担を懸念しており、物件の不足も示しているが、物件に関する情報不足はあまり示さなかった。しかしながら、設問票調査の自由記入欄では、全17件の回答中の7件が情報提供関連の回答であった。需要者は充実な情報開示や透明性を求めており、また、資産価値を強く意識した住宅購入より、現実性にあわせて必要な住宅を購入することができるように品質、環境、価格等の適正な住宅情報をもらいたいとの意見もあった。更にインタビュー調査では、住宅選択において供給者のブランドや近隣施設等が重視しているとの意見が見られた。
0 件のコメント:
コメントを投稿